第百七十八章

「ちょっと、もう少しゆっくり」

葵は彼に手を引かれながら、呆れたように言った。

「早く早く、早く乗ってみてほしいんだ」

蓮は満面の笑みで葵を運転席の横まで押しやり、ドアを開けてやった。

「ほら乗って。俺は助手席に座るから、分からないことがあったら何でも聞いて」

葵はそれ以上断ることもせず、身をかがめて運転席に乗り込んだ。蓮も続いて助手席に座り、彼女のシートベルトを締めてやると、各ボタンの機能を一つひとつ丁寧に説明し始めた。

「よし、これで全部覚えた?」

蓮が尋ねる。

葵は頷いた。

「ええ、覚えたわ」

「じゃあ、出発しよう!」

蓮が弾んだ声で言う。

葵は深く息を吸い込み...

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