第百九十九章

正美は誰も追ってこないことを確認すると、ほっと息を吐き出した。

「よし、もう撒いたよ」

葵はどっと疲れが出たように、シートの背もたれに深く体を沈めた。

これほど大勢の人間から取り囲まれ、罵声を浴びせられたことなど、今までの人生で一度もなかった。

すべては和也のせいだ。

梨乃は小さくため息をつき、葵の肩をぽんぽんと叩いた。

振り返って梨乃を見た葵は、運命の皮肉を感じずにはいられなかった。

色々あったけれど、結局最後までそばにいてくれたのは梨乃だけだった。

正美は車を路肩に停め、心配そうな顔で後ろを振り向いた。

「葵、今のネットの炎上騒ぎ……これからどうするつもりだ?」

葵は...

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