第36章

「あなた……」百合子は言うことを聞かない由美を睨みつけた。「私の言葉に逆らうつもり?」

由美は唇を尖らせ、悪びれる様子もなく言い放つ。

「今は雪菜さんが一番大事なの。葵は絶対に連れて行くから」

その目が、途端に鋭く吊り上がった。

葵をきつく睨みつけ、ボディガードたちを呼びつける。

「この女を連れて行きなさい!」

「誰がそんなこと許すというの!」

百合子が怒りに任せて杖を床に突き立てる。

顔面を蒼白にして怒る百合子を見て、葵は慌てて歩み寄り、その体を支えながら小声でなだめた。

「おばあ様、どうかお怒りにならないでください。私は大丈夫です。少しついて行って、様子を見てくるだけで...

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