第48章

「和也」

雪菜の声には、微かな震えと緊張が混じっていた。

全員の視線が和也に集まる。彼自身の口からその答えが紡がれるのを、誰もが待ち構えていた。

かつてないほどの苛立ちが胸の奥から込み上げ、和也は眉間を深く寄せた。声のトーンが重く沈む。

皆が注視する中、ひどく冷たい自分の声が耳に届いた。

「……ない」

葵は体側に下ろした指先をぴくりと丸め、そして、ゆっくりと解いた。

心臓にぽっかりと穴を開けられたような感覚。激痛が通り過ぎた後には、ただ麻痺したような鈍さだけが残った。

分かりきっていた答えのはずなのに、それでもやはり、胸が痛む。

その言葉を聞いた雪菜は、目に見えて機嫌を直し...

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