第59章

葵はすでに客室の片付けを終えていた。

雪菜がやって来るのを見て、葵は片眉を上げて言った。

「九条さん、客室の準備ができましたよ。チェックしますか? 五千万のサービスですから、絶対に満足させますよ」

雪菜は今、彼女と無駄話をする気分ではなく、手を振って葵を先に退出させた。

葵が部屋を出て行くと、雪菜はベッドに横たわり、深いため息をついた。

どうしてこんなことになってしまったのか。和也はどうして葵に対してあんなにも無防備なのか。

もしかして、自分の見ていないところで、二人はすでに……

雪菜はそれ以上考えるのが恐ろしかった。

このまま葵をのさばらせておくわけにはいかない。

身を起...

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