第66章

葵は心の底から呆れ果て、ただただ滑稽に思えた。

彼女はゆっくりと立ち上がり、床に落ちていたつまみ細工の髪飾りを、そっと丁寧に化粧箱へ収めた。

「言ったはずよ。いくら積まれても譲らないって。お金の問題じゃないの。用がないなら出て行って。梱包して発送しなきゃならないから、あなたたちのくだらない話に付き合ってる暇はないわ!」

そう言い捨てると、葵はもう二人には一瞥もくれず、背を向けてデスクへ向かい、化粧箱の梱包に取りかかった。

彼女の拒絶に満ちた背中を見つめ、和也の顔色が瞬時に険しく沈んだ。

葵がこうも立て続けに自分を拒絶するとは、思いもよらなかったのだ。

雪菜に至っては悔しさに歯噛み...

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