第68章

二人は肩を並べて空港を歩き出した。道すがら言葉を交わし続け、まるで話が尽きないかのようだ。

葵がここ数年の出来事を語り、正美は静かに耳を傾ける。時折相槌を打ちながらも、その視線は常に彼女へと注がれ、片時も離れることはなかった。

ただ、その眼差しには優しさと甘やかしの色だけでなく、心の奥底に秘められた濃密な愛情が滲んでいる。

海外で過ごした数年間、彼は葵を忘れたことなど一度たりともなかった。

彼女の写真を見つめ、旧友から近況を聞くたびに、胸の内の想いは少しずつ膨らみ続け、決して色褪せることはなかった。

むしろ時が経つにつれ、その想いはより一層深まっていったのだ。

今回帰国したのは、...

ログインして続きを読む