第70章

スマホを取り出し、蓮に電話をかける。繋がった瞬間、低い声で言った。

「飲みに付き合え。いつもの店だ」

電話を受けたとき、蓮はちょうど大毅と一緒にいた。和也のただならぬ声色に、すぐさま了承する。

通話を切り、蓮と大毅は顔を見合わせた。互いの目に戸惑いが浮かんでいる。

普段の和也がここまで取り乱すことは滅多にない。よほどのことがあったのだろう。

二人は急いで身支度を整え、行きつけのバーへと向かった。

薄暗い照明の中、ゆったりとした音楽が流れる落ち着いたバー。和也はすでに奥のボックス席に陣取り、目の前にはウイスキーのボトルと、空のグラスがいくつか転がっていた。

蓮と大毅が歩み寄り、向...

ログインして続きを読む