第72章

和也は鉛のように重い体を起こした。頭がひどくぼんやりしている。

手探りでベッドから抜け出し、ふらつく足取りで客間を出る。水を一杯飲みたかった。

壁に手をつきながら、一歩ずつ冷蔵庫まで引きずって歩き、冷えたペットボトルの水を取り出すと、喉を鳴らして一気に煽った。

冷たい水が干からびた喉を滑り落ち、束の間の心地よさをもたらしたが、頭の中の靄は少しも晴れない。

水を飲み終えると、なぜか足は勝手に動き出し、二階の主寝室へと向かっていた。

ドアを押し開ける。部屋の中は薄暗く、窓から差し込む微かな月明かりだけが、ベッドに横たわる人影の輪郭を浮かび上がらせていた。

葵は深く眠り込んでいる。静ま...

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