第74章

「座れ」

和也の声は低く、酷寒を帯びていた。

大毅と蓮は恐る恐るソファに腰を下ろし、どちらも先に口を開こうとはしなかった。

しばらくして、和也はようやく顔を上げ、冷ややかな視線を二人に向けて口を開いた。

「俺は昨日の夜、何を言っていた?」

その鋭い眼差しが二人を射抜く。値踏みするようなその目つきは、事の顛末をすべて聞き出そうとする意志に満ちていた。

大毅と蓮は顔を見合わせ、互いの目に呆れたような色を浮かべた。

昨夜、泣き叫んで葵にすがりついていた和也の惨めな姿が、今も鮮明に脳裏に焼き付いている。正直、直視に堪えない有様だった。

蓮は昨夜、自身の告白が玉砕したことや、大毅から聞...

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