第77章

二階からは、数人のボディーガードが雪菜のスーツケースを提げて下りてくるところだった。

和也が呆然と立ち尽くしたその瞬間、床にへたり込んでいた雪菜が彼の姿を捉えた。

まるで地獄で仏にでも出会ったかのように、這いずるようにして立ち上がると、よろめきながら和也の元へ駆け寄り、その腕に死に物狂いでしがみついた。

彼女は身を切られるように泣きじゃくり、息も絶え絶えに叫んだ。

「和也! 和也、やっと帰ってきてくれたのね! もう少し遅かったら、私、この人たちに殺されてたわ!」

「お婆様が使用人に私をぶたせて、ここから追い出そうとするの。私、ここには身寄りもないし、あなた以外に頼れる人なんて誰もい...

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