第94章

「ああ、分かった。ご苦労だった。何かあればいつでも連絡してくれ」

和也は電話を切るなり、傍らの壁を拳で殴りつけた。顔面は蒼白を通り越し、どす黒く沈んでいる。

それを見た晃が慌てて一歩前に出ると、恐る恐る口を開いた。

「藤原社長、どうか落ち着いてください。実は……あのマンションには以前、防犯のために家中に隠しカメラを設置してあるんです。玄関、リビング、寝室、書斎まで、すべてクラウド保存に繋がっています」

「その映像を引き出せば、誰かが部屋に侵入したかどうかも、九条さんが倒れる前に何があったのかも分かるはずです」

その言葉に、和也は弾かれたように顔を上げた。

眼光が鋭く尖る。彼は晃の...

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