第96章

和也は長い沈黙に陥った。

やがて、妥協を滲ませた声でゆっくりと口を開く。

「分かったよ。雪菜が実家に行きたいかどうか、本人の意思を聞いてみる」

その言葉に、電話の向こうにいる百合子の堪忍袋の緒が完全に切れた。

「本人の意思を聞くですって? 和也、お前は本当にあの女にたぶらかされて、どうしようもない馬鹿に成り下がったんだね!」

「いいよ、もうお前のことなんか知らない! 好きにおし! どこの馬の骨とも知れない女のために、家も捨てて、妻まで追い出そうっていうんだから、勝手にすればいいさ!」

「今後、どんな問題を起こそうと、二度と私のところに泣きついてくるんじゃないよ! お前の祖母なんて...

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