第105章

鳴瀬颯真は答えなかった。

小林琴音はなおも食い下がる。

「昨夜……あの人、本当にここで一晩中、あなたに付き添ってたの?」

「……ああ」

鳴瀬颯真は隠さず、淡々と認めた。

小林琴音の胸が、じわじわと締めつけられていく。

「じゃあ昨夜……あなたたち……一緒に寝たの?」

それが、彼女がいちばん聞きたかったことだった。

鳴瀬颯真は琴音の顔を鋭く見据えた。瞳の奥に、危うい気配が滲む。

「踏み込みすぎだ」

冷えた声。表情も硬い。露骨な不快が、警告として突き刺さる。

小林琴音はごくりと唾を飲み込み、両手を無意識に握りしめた。顔が一瞬で赤くなり、次いで血の気が引く。

鳴瀬颯真は淡...

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