第123章

「俺のこと、恋しかった?」

逸央はまた話をそこへ引き戻した。答えをもらうまで引かない――そんな顔。

星川千奈は黙って彼を見つめる。胸の奥が、甘さと苦さでぐちゃぐちゃになった。

期待に満ちた視線に追い詰められて、結局、彼女は小さく頷く。

「……うん」

風見逸央が笑うと、その整った顔立ちは目を逸らせないほど眩しい。

「わっ……!」

千奈の短い悲鳴と同時に、逸央は彼女の腰を掴み、ひょいと抱え上げた。背後の玄関カウンターに座らされ、体がふわりと浮く。

そして彼はスーツの内ポケットから小さなケースを取り出し、チェーンを指先でほどく。

冷たい金属が、そっと首元に触れた。

「……!」

...

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