第133章

小林琴音は慌てて立ち上がり、彼を見た。鳴瀬颯真の瞳には、隠す気すらない嫌悪が浮かんでいる。取り繕うことさえ面倒だと言わんばかりに。

彼がリビングへ足を踏み入れると、小林琴音はすぐさま早足で駆け寄り、正面に立って行く手を塞いだ。

「颯真……」

鳴瀬颯真は足を止めた。胸の奥の嫌悪は限界まで膨れ上がっている。それでも怒りを押し殺し、低く言い渡す。

「今後、二度とここに足を踏み入れるな」

それだけ言うと、彼は小林琴音の横をすり抜け、階段へ向かった。未練の欠片もない。

その瞬間、小林琴音ははっきりと悟る。かつての甘さは、すべて拒絶へと変わったのだと。

「颯真!」

重たい腹を支えながら、...

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