第147章

星川千奈は言葉を継いだ。

「昔のあなたは、いつも勝手に先回りして決めてた。だから星川修明の欲が育って、私を盾にすればあなたから金を引っ張れるって思い込ませたのよ。もう私たちは離婚した。あなたがあいつの面倒を見る義理なんてないし……あいつが持っていった2000万は、私が何とかしてあなたに返す」

「鳴瀬颯真。もう誰のことでも、どんなことでも、あなたと関わり合いになりたくない」

千奈は手にした書類をきつく握りしめ、踵を返して出口へ向かった。

「千奈……」

鳴瀬颯真が呼び止める。背中を見つめたまま、迷いに迷ってから、ようやく言った。

「……行かないでくれないか」

胸の奥が、ずしりと沈む...

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