第150章

結局、鳴瀬颯真は彼女をそっと自分の上から引きはがし、立ち上がると抱き上げて浴室へ向かった。

医師が駆けつけたとき、鳴瀬颯真は星川千奈を抱いたまま冷水を張った浴槽に浸かっていた。鎖骨には深い噛み痕。腕には何本も爪で引っかかれた跡がくっきり残っている。

星川千奈は顔色を失い、彼の胸に収まったまま眠り落ちていた。

医師は目を見開き、慌てて近づく。

「早く。拭いて、外へ出してください」

鳴瀬颯真は星川千奈を浴槽から抱き上げ、バスタオルでしっかり包み、ベッドへ運んだ。

診察を終えた医師が言う。

「薬の作用は抑え込めています。ただ、こういう無理な冷却は、自律神経を乱しやすいです。今夜は微熱...

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