第153章

一方、J市の空港。

出張帰りの風見逸央を、星川千奈は滞りなく出迎えた。彼は彼女の姿を見つけるなり腕を伸ばし、引き寄せて抱きしめる。額へそっと口づけを落とし、甘い声で囁いた。

「この数日、俺のこと……恋しかった?」

星川千奈は素直に頷く。

「うん。恋しかった」

風見逸央は一瞬、言葉を失った。いつも自分が踏み込み、彼女は受け止めるだけ。その構図が続いている。もっと、彼女のほうから熱を返してほしい――そんな欲が、胸の奥で疼いた。

抱いたまま、額と額をこつんと合わせる。

「一週間も会ってないんだ。もう少しだけ、俺に熱くしてくれない? ……寂しくなる」

星川千奈はくすっと笑い、腕を回し...

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