第155章

危機一髪のところで、風見逸央が彼女を思いきり突き飛ばした。

ドン――。

耳を裂くブレーキ音と鈍い衝突音が夜空を切り裂く。車はすぐさまバックし、そのまま逃げるように現場を離脱した。

星川千奈は路肩に尻もちをつき、息の仕方すら思い出せない。顔を上げた瞬間、道路の真ん中に倒れた風見逸央が見えた。彼の下から、血がじわりと広がっていく。

「千奈! 大丈夫か!」

鳴瀬颯真が駆け寄り、しゃがみ込んで彼女の様子を確かめながら、片手でスマホを取り出して救急と通報を同時に入れる。

星川千奈は震えながら泣き声を漏らした。

「私は平気……! 早く、風見逸央を……!」

鳴瀬颯真が真っ先に警察へ連絡し、...

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