第156章

鳴瀬颯真は大きく息を吸い込み、ようやく口を開いた。

「三年前の交通事故だ」

星川千奈の瞳の奥に、ほんの一瞬だけ揺らぎが走る。それを見逃さず、胸が締めつけられた鳴瀬颯真が痛むように言う。

「どうして言ってくれなかった。三年前の事故に、小林琴音が関わってるって……」

星川千奈はすぐに感情を整え、凪いだ声で返した。

「言ったところで、意味ある? 信じた? 一昨日だって、私が警察で彼女を指さしたとき、あなたの最初の反応は庇うことだった」

「違う」

鳴瀬颯真が必死に言い訳しかけた瞬間、星川千奈が遮る。

「分かってるでしょ。早く言っても遅く言っても、結果は同じ。今までだって、あなたはいつ...

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