第157章

「胃カメラの結果が出たら、真っ先に俺に知らせろ」

鳴瀬颯真は沈んだ声でそう言い残し、先に歩き出した。

風見逸央の世話に追われていたあいだに、星川千奈の家は何度も候補を絞り込み、ようやく条件の合う買い手が見つかった。価格は、別の購入希望者の提示額をちょうど三百万上回っている。

契約と名義変更の日、買い手本人は姿を見せなかった。手続きを担ったのは代理の弁護士で、支払いは一括。わずか一週間も経たないうちに、売却代金は全額、星川千奈の口座へ振り込まれた。

出国日も改めて確定した。風見逸央は脚の怪我で静養が必要なため、星川千奈と一緒にY国へ飛ぶことを決める。国内の風見グループは従弟の風見直輝に...

ログインして続きを読む