第161章

千鳥結亜が笑いながら尋ねた。

「澄玲ちゃん?」

「うん」星川千奈が答える。

P州北部、郊外の別荘。窓の外では大雪が舞い、室内では暖炉の火がぱちぱちと音を立てていた。やわらかな熱が、部屋の隅々まで行き渡っている。

星川千奈は床まで届く窓のそばに腰を下ろし、階段のほうへ顔を向けた。二歳ほどの小さな女の子が、すらりとした体つきの男に抱かれて降りてくる。

千奈がしゃがむと、女の子は短い脚でよちよちと駆け寄り、そのまま胸に飛び込んだ。

千奈は子どもを抱き上げてソファへ戻り、千鳥結亜に挨拶をさせる。通話を切ると、女の子は体をくねらせながら、父親を探して落ち着かない。

父親――西園寺蒼介は、...

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