第167章

星川千奈は指先をわずかに強張らせ、低く言い切った。

「もう終わったの。鳴瀬颯真、これ以上こじらせないで。お互い、最後くらい体面を残して」

胸の奥がぽっかりと空いたみたいに痛む。鳴瀬颯真は自嘲気味に、ふっと笑った。

「今日、怪我じゃなくて死んでたら……お前は、もう少し俺を見てくれたのか」

星川千奈は眉をひそめ、これ以上この話を続けたくなくて、強引に手を引き抜くと足早に前へ進んだ。

鳴瀬颯真は、彼女の決別そのものみたいな背中を見つめたまま、しばらく立ち尽くし――やがて遅れて追いかける。

病院のビルを出ると、薬を受け取ってきた村上さんがちょうど駆けつけてきた。入口には、鳴瀬颯真の専用車...

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