第200章

鳴瀬颯真はくすりと笑い、包み隠さず言った。

「白鳥雪奈さんとは、あくまで通常のビジネス上の協業だ。ほかの関係はない。最近は共同案件も締めに入ってるから、同じ場に立つ機会だって多くない。それに――俺には、心から大切に思ってる相手がいる。前に話したプロポーズの指輪も、口先だけじゃない」

そう言いながら、彼の視線がまっすぐ客席へ落ちる。星川千奈へ。

会場中の視線が一斉に千奈へ集まり、羨望の熱がまとわりついた。

その瞬間だけは、星川千奈もほとんど信じかけた。鳴瀬颯真は本気で自分を愛しているのだと。

結婚していたあの数年、彼がこんなふうに公の場で庇い、気持ちを言葉にしてくれていたなら――...

ログインして続きを読む