第209章

「何度言ったら分かるんだ! 鳴瀬颯真みたいな男は、うちが手を出していい相手じゃない! お前は聞く耳も持たず、星川千奈の病気をネタに揺さぶった……これで満足か? 白鳥家ごと潰す気か!」

白鳥成実は怒りに任せ、卓上の熱い茶を白鳥雪奈へ叩きつけた。

ばしゃっ。

沸き立つ湯が、露わになっていた腕と脛に飛び散り、みるみる赤く腫れ上がる。

その光景を目にした白鳥莉音は、さっと血の気を失い、駆け寄って雪奈を庇った。

「お父さん、落ち着いて! 話せば分かるでしょ……叔母さんに手を上げないで!」

成実は、二十五も年下の妹を昔から可愛がってきた。きつい言葉ひとつ投げたことすらない。だが今回は、腹の底...

ログインして続きを読む