第228章

「鳴瀬颯真――」

星川千奈は悲鳴じみた声を上げ、夢の底から跳ね起きた。

目を開けても、そこは荒れ狂う波の貨物船ではない。縄で高く吊り上げられてもいない。

見慣れた病室。柔らかなベッドに横たわり、重いカーテンが引かれている。隙間からこぼれる陽光が、きらきらと細かく揺れていた。

そのとき、洗面所から介助員の鈴木利里が出てくる。千奈が目を開け、ベッドの縁に手をついて起き上がろうとしているのを見て、一瞬きょとんとしたあと、ぱっと表情を明るくして駆け寄った。

「星川さん、目が覚めたんですか?」

鈴木利里は手にしていた洗面器を置き、千奈の身体を支えて上体を起こす。ついでに枕元のナースコールを...

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