第238章

会場は水を打ったように静まり返り、次の瞬間、割れんばかりの拍手が湧き起こった。

彼の言葉には私情が一片も混じっていない。そこにあったのは、揺るぎない敬意と、完全な肯定だけ。

仕事では互角に渡り合い、愛では肩を並べて歩く。

それが、今の二人をいちばん正確に映す姿だった。

夜。

永太はすでに眠り、二階の主寝室のバルコニーで、星川千奈は赤ワインを二杯手にしていた。藤椅子にもたれている鳴瀬颯真へ、一杯を差し出す。

颯真は受け取ると、そのまま彼女の手首をつかみ、ぐいっと引き寄せた。千奈の体がふわりと浮き、次の瞬間、彼の膝の上へ。

「脚、もう痛くないの? また無茶して」

千奈がむっとして...

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