第27章

鳴瀬颯真はスマホをポケットへ戻し、「ああ」とだけ応じた。

「だったら、先に迎えに行く?」

彼女が腹をかばう仕草を目にしても、颯真は結論を変えない。

「先に君を家まで送る」

鳴瀬颯真は自らハンドルを握り、小林琴音を小林家まで送り届けた。小林家の年長者たちは熱心に引き留め、夕食を食べていってほしいと言う。

もともと二家は世代をまたいだ付き合いで、距離も近い。

石川さんからのメッセージで星川千奈がすでに帰宅したと知り、ひとまず胸をなで下ろした。そこへ琴音の引き留めが重なれば、この厚意を無下にするのも気が引ける。

小林家の面々は鳴瀬颯真の立場をよく知っていた。いまや鳴瀬グループは小林家...

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