第34章

翌日、鳴瀬颯真の親友であり顧問弁護士でもある福田秋良が、星川千奈へ自ら連絡を入れた。

鳴瀬颯真の代理人として対面した福田秋良は、あくまで職業人として淡々としている。

「弁護士として、星川さんに説明しておかなければなりません。今回、離婚を切り出したのはあなたのほうです。となると――財産分与の面で、あなたにはかなり不利になります」

言い方は柔らかい。けれど星川千奈には、そんなこと最初から分かりきっていた。

「彼の全部は、もともと私とは関係ないので」

福田秋良が眉をわずかに寄せる。

「どうして、そこまで急いで離婚したいんですか?」

星川千奈は目を逸らさず、真剣な声で答えた。

「心の...

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