第35章

福田秋良が出てくると、桐原卓也が扉の脇で待ち構えていた。

「片づいた?」

「うん」

秋良はそのまま卓也の前を通り過ぎる。卓也も追いつき、並んで外へ向かった。

「秋良さ、今夜の颯真……なんか、異様じゃなかったか……」

「学生の頃だって小林琴音のために前に出たことはあったけど、あそこまで“潰しにいく”感じじゃなかっただろ!」

「颯真は?」福田秋良は淡々と話題を切った。

「小林琴音と一緒に帰った」卓也が答える。

「手のケガ、見てやらなかったのか?」

「やらせねぇんだよ!」桐原卓也は鼻を鳴らす。「あいつの傷より、俺は明日の朝のトレンドのほうが心配だわ」

その頃、黒いロールスロイス...

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