第37章

「風呂に入ったとき、うっかり濡らしちまってさ……たぶん少し炎症起こしてる」

鳴瀬颯真は包帯をほどきながら、低い声で言った。

星川千奈は、手伝うつもりなんてなかった。

「小林さんの部屋、隣でしょ。今呼んでくる」

鳴瀬颯真は黙って彼女を見た。その視線に、千奈の胸がちくりとする。なぜだか、後ろめたい。

「いっそ今夜ここで寝かせたらいい。付きっきりで世話できるし、夜も都合いいだろ」

言葉は軽いのに、目は笑っていない。

二人の視線がぶつかり、空気の底で何かがざわついた。

ふっと、鳴瀬颯真が鼻で嗤う。

千奈が立ち上がろうとした瞬間、手首を掴まれた。

「もう遅い。琴音の休みを邪魔するな...

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