第45章

星川千奈の手によるものだと知り、ようやく合点がいった。――このシャツは、彼女が縫ったものだったのだ。

小林琴音は視線を落とし、自分の身にまとっている鳴瀬颯真のシャツを指先でつまむ。恥じ入ったふりをして、申し訳なさそうに言った。

「ごめんなさい、颯真。わざとじゃないの」

「石川さんに、着替えを用意させる」

鳴瀬颯真は読めない顔のまま息を吐き、踵を返して部屋を出ていく。

「昨日、小林グループから届いた提携意向書は、村上さんに回した。時間を作って、小林会長を食事に誘え」

合作を受ける、と告げられた瞬間、小林琴音の胸がぱっと明るくなる。

「分かった。颯真、ほんとに優しい」

数日前、父...

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