第48章

その問いかけは、星川千奈にとって少し意外だった。

彼女は一瞬きょとんとしてから、淡々と答える。

「うん」

「それは……よかったよ」

鳴瀬庄司は苦笑した。

そのとき、千奈のスマホがぶるりと震える。

ロックを解除すると、鳴瀬颯真からの短いメッセージが表示された。

『上がってこい』

千奈は庄司に向けて小さく頭を下げる。

「お兄ちゃん、もう遅いし。先に上がるね。おやすみ」

覗き見するつもりはなかったのだろう。けれど庄司の視界にも、その一言は入ってしまった。

   *

「千奈はもう上がったの?」

部屋の中で、祖母が執事の志美に尋ねた。

今夜の鳴瀬颯真と星川千奈の間に漂う、い...

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