第52章

風見逸央は、心配を隠そうともせず星川千奈を見つめた。

「本当に少しは楽になったのか? 無理なら、やっぱり病院に行ったほうがいい」

星川千奈はさりげなく風見逸央の手を避ける。

「うん、だいぶよくなったから。病院まではいい。大げさにしたくないし」

風見逸央はふっと視線を落とし、喉の奥で小さく笑った。

「じゃあ、家まで送ろうか?」

星川千奈はどうにか口元をゆるめ、心から礼を口にする。

「……ありがとう」

風見逸央と会ったのは、これでまだ三度きり。

そのうち二度も、自分のいちばんみっともない姿を見られてしまった。

それなのに彼は、毎回まったく厭わず手を貸してくれる。

「最初に星...

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