第54章

「……星川千奈」

耳元で響いた風見逸央の声に、星川千奈ははっと我に返った。

「こいつらはもう押さえた。おまえが自分で始末するか、警察を呼ぶか……あるいは、俺が片づけてもいい」

その含みを、星川千奈が理解できないはずがない。

けれど意外だったのだろう。彼女は目を見開いたまま問うた。

「あなたが……私のために、そこまでしてくれるの?」

「おまえが望むなら」

迷いのない、真っ直ぐな声だった。

星川千奈は少し考え、それから小さく首を振る。

「……やっぱり、警察にする」

「分かった。おまえの望む通りにしよう」

そう答えたあと、風見逸央はふと横目で彼女を見た。

「それと、もう一つ...

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