第61章

小林琴音は彼を離し、ゆっくりとその正面へ回り込んだ。楚々として守ってやりたくなる顔立ち。男なら、たいてい目を逸らせないほどの美貌だ。

彼女は顔を上げ、鳴瀬颯真を見つめる。

「ここには私たちしかいないのよ。少しくらい、ちゃんと私を見てくれてもいいでしょう? 抱きしめてくれても」

鳴瀬颯真は、鋭く整った眉目をわずかに伏せた。

今の小林琴音は、ほとんど透けるような細い肩紐のネグリジェ姿だった。丈は太腿の付け根をかろうじて隠す程度。

認めたくなくとも、その身体つきは目を奪うほどだった。折れそうに細い腰。出るところはきちんと豊かで、女らしい起伏も申し分ない。

しかもそのネグリジェは、男を惑...

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