第66章

星川千奈は慌てて顔をそむけた。

風見逸央がくすりと唇を緩める。ふいに赤く染まったその横顔を見つめながら、彼の口元も知らずやわらいでいた。

「鳴瀬颯真と比べたら?」

不意に、低い声でそう問う。

「え……?」

あまりに唐突で、千奈は思わず目を瞬かせた。

「分かってるよ。本当は、君はまだ彼を愛してるんだろ?」

視線はまっすぐだった。まるで、とっくに見抜いていたとでも言うように。

星川千奈は言葉を失い、驚いたまま風見逸央を見つめ返した。

彼は責めるでもなく、やわらかく言う。

「別に、認めたからって恥ずかしいことじゃない」

過去をきちんと見つめなければ、この先の一歩一歩を間違えず...

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