第122章

「お送りしましょうか?病院まで」

星谷由弥子の一言が上原健介に良い印象を与え、上原健介も自然と気遣いの心が湧いてきた。

「うちの夏菜も似たような反応があるんです。車に子ども用のパニック発作の薬があるんですが、もしかしたらお子さんにも効くかもしれません」

話している間に、天宮拓海はすでに激しく体を捩り始めていた。小柄な星谷由弥子ではとても太刀打ちできない。

その様子を見て、上原健介は一歩前に出て星谷由弥子を助け、天宮拓海を抑えようとした。

他人に触れられたことで、天宮拓海はさらに激しく暴れ始めた。

さらには大声で泣き叫び始めた。「ママ助けて、パパ、パパが欲しい!」

「拓海!」

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