第148章

当初彼は本当に星谷由弥子が犯罪者だと思い込んでいて、彼女を刑務所に移送する際に看守にまで注意を促したほどだった。

ある期間、星谷由弥子は刑務所での生活が決して良いものではなかった。彼女が妊娠していることがわかってからようやく、その注意の目も少し和らいだのだった。

しかし今、真の犯罪者は別にいて、星谷由弥子もまた被害者の一人だと知らされ、万田警部補は罪悪感に飲み込まれそうになっていた。

「万田君の言う通りだ。二ノ宮君、事件は結果が出るまで決して手を抜いてはいけない。結果の出ていないことはすべて未解決を意味する。万全の態勢で対応しなければならないんだ」

近藤警部は手元の資料を置き、万田警...

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