第149章

天宮おじいさんが戻ってきてからずっと、星谷由弥子がいつ絵を描き終えるのか気にかけていた。

星谷由弥子が立ち上がるのを見るなり、天宮お爺さんはすぐに声をかけた。

星谷由弥子は驚いて振り返った。彼らがいつ戻ってきたのか気づいていなかった。

しかし彼女は余計な質問はせず、まだ湿っている絵を天宮お爺さんに手渡した。

「おじいちゃん、絵がまだ乾いてないから、服を汚さないように気をつけてね」

天宮お爺さんは星谷由弥子に天宮おじいさんと呼ばせず、おじいちゃんと呼ぶよう言い聞かせていた。星谷由弥子は抵抗しきれず、呼び方を変えていた。

「ああ、気をつけるよ、気をつける」

天宮お爺さんは笑顔で絵を...

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