第162章

「離せ、星谷邦男、離せって!息子に会いたいの、息子をあそこから出したいの、あなた……」

なぜか理不尽に叱責されるだけでなく、星谷邦男はまるで狂ったように、面会時間さえおわっていないのに、無理やり彼女を引きずり出した。

鈴木真琴はたちまち不満が爆発し、絶えず暴れて騒ぎ立てた。

ようやく監視カメラの死角に来ると、星谷邦男は手を離すと同時に、鈴木真琴の頬に容赦なく平手打ちを食らわせた。

「鈴木真琴、何度言えばわかるんだ。人前で漏らすべきでないことを喋るな!星谷由弥子の身分のことは口を閉じろ。俺たち二人も一緒に刑務所に入りたいなら、好きなだけ喋りまくれ」

少しでも何か動きがあると、鈴木...

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