第179章

「なんて綺麗な顔だ!」

千野言羽は指先をはっきりと広げた右手を星谷由弥子の眉間に当てた。

そのまま眉の骨に沿って伸ばし、星谷由弥子の頬を通り過ぎ、最後に彼女の顎に留まった。

力を入れて、星谷由弥子の顔を強く持ち上げる。

星谷由弥子の唇には赤みが増していた。

元々薔薇のように赤い唇が、その赤みによって一層魅惑的になっていた。

「こんなセクシーな唇で強く噛むなんて、女、お前は素直じゃないな」

千野言羽は少し身を屈め、一瞬でさらに近づき、彼女の唇を強く擦り、次の瞬間にはキスしようとした。

一瞬意識が戻った星谷由弥子は、咄嗟に手を伸ばして千野言羽を阻止した。

「出て、出て行って!く...

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