第213章

「お爺様、桃華は今、そのような話を聞ける状態ではありません」

 上原健介はこめかみを揉んだ。

「持つべきでない考えは、極力お捨てになった方がよろしいかと」

 老爷子はまだ何か言いたそうだったが、上原健介にあっさりと遮られてしまった。

 老爷子を二言三言慰めた後、上原健介は電話を切り、すぐに車を千野グループのある方角へと走らせた。

 千野家の者たちはそれに気づくことなく、依然として大々的に星谷由弥子の情報を探っていた。

「面白いわ、本当に面白い! 今まで帝都にこんな面白い人が隠れていたなんて、どうして気づかなかったのかしら!」

 千野言羽は彼女の身分資料を繰り返し読んでいた。

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