第224章

図書館を出ると、星谷由弥子の胸に再び重苦しい感覚がこみ上げてきた。

今回の不快感は、いつもより長く続いている。

星谷由弥子は、ふと上原夏菜の小さな姿を思い出した。

姫さんは生まれつき体が弱く、生まれたての頃は子猫のようにか弱かった。今の体調も、きっとあまり良くはないだろう。

案の定、姫さんは再び救急病棟に運び込まれたという。

「あら、ごめんなさい、学生さん。うっかりあなたの本を落としてしまったわ」

甘ったるく、わざとらしい作り声。注目を集めずにはいられない。

「あら、星谷さんだったのね。それは本当に申し訳ないことをしたわ」

上原桃華は床に落ちた本を拾い上げ、埃を払ってから星谷...

ログインして続きを読む