第230章

決定は午前、手配は午後。

そして翌日——。

天宮和人の手引きによる記者会見が、烈火のごとき勢いで幕を開けた。

「行ってこい」

舞台裏。

天宮和人は、真紅のドレスを纏った星谷由弥子を見つめていた。その表情に変化はないが、鋭い眼差しの奥には溢れんばかりの慈愛が宿っている。

「星谷由弥子、なりたい自分になれ」

大空を舞う鳥は、檻に繋がれるべきではないのだ。

星谷由弥子は天宮和人の双眸を見つめ返す。彼女の心は次第に、彼の持つ揺るぎない静寂で満たされていった。

「私のやり方……」

「君のやり方は正しい」

天宮和人は星谷由弥子の躊躇いを断ち切るように告げた。

「俺なら、五年前にそ...

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