第237章

小さな彼はしばらく頭を悩ませたが、名案はひとつも浮かばなかった。

それだけに余計腹が立ち、口を利くのも嫌になる。

頬をぷうっと膨らませ、腕を組み、まるで怒ったフグのようだ。

星谷由弥子はそのフグのような赤ちゃんを微笑ましく抱き上げ、車に乗せた。道中もずっと、不機嫌なちびっ子をあやし続ける。

天宮家に着くや否や、カッとなった子供は星谷由弥子を置いてけぼりにして、家の中へと駆け出した。

そして、ちょうど出てきた天宮和人と正面衝突した。

天宮和人の姿を見るなり、小さな口をへの字に曲げ、すぐさま言いつけを始める。

「えーん、パパあ、ママがいじめるの!」

天宮和人は眉を挑ねた。

「詳...

ログインして続きを読む