第297章

病院の廊下は、予想以上に多くの人で溢れかえっていた。

救急処置室の前には、物々しい専門機材を抱えた者たちまで陣取っている。

その「専門家」たちの背後には、刑務官や警察官の姿もあった。身につけた制服の記章が、それぞれの所属の違いを示している。

星谷由弥子はただ一瞥しただけで視線を外し、無表情のまま一人の刑務官へと歩み寄った。見覚えのある顔だ。星谷邦男の担当者である。

彼女の姿を認めると、刑務官はすぐに歩み寄り、何か説明しようと口を開きかけた。だが、星谷由弥子は片手を上げてそれを制した。

「説明はいいわ。あなたたちの責任じゃないことは分かってる。それより容体は?」

星谷邦男が収監され...

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