第299章

三富冷夏は白衣を身にまとい、髪をアップにまとめていたが、その眉間には隠しきれない疲労が滲んでいた。

彼女は身を乗り出し、モニターに映る星谷由弥子を見つめた。

「とりあえず安定はしているわ。D-7試薬で血清濾過を行ったことで、毒素数値は安全圏ギリギリまで下がった。ただ、意識は戻らない。神経系の損傷が激しいから、引き続き経過観察が必要ね」

その言葉に、星谷由弥子の心臓が早鐘を打った。

「最終的に変異した毒素のタイプは?」

「混合型神経抑制毒よ。かなり悪質な手口だわ。明らかに子供を狙っている……この件の裏はそう単純じゃなさそうね。覚悟しておいたほうがいい」

天宮和人は眉をひそめた。

...

ログインして続きを読む