第310章

「この航路は予備空域を使用している。着陸予定時刻は午前三時三十五分。出迎えの人員は配置済みだ。降機後もこちらの予備車両を用意してあるし、三富の方でも専用回線を繋いでいる。何人たりとも接近させるつもりはない」

 その言葉に、星谷由弥子は安堵の息をついた。天宮和人たちがこれほどまでに周到な手配を整えてくれていたとは。

「拓海の今の状態を考えれば、どんな些細なアクシデントも許されないからな」

「分かってる」

 白石安広はそれ以上多くを語らず、黒く精巧な暗号化通信イヤホンを彼女に手渡した。

「常時接続しておけ。何かあればすぐに俺へ連絡しろ。もう一人で抱え込むなよ」

 彼女はイヤホンを受け...

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